運転終了を惜しみつつ、今から20年以上前に乗ったときの様子が分かる音声をアップしました。
できればヘッドホンを使い、目を閉じながら聞いてみてください。
スマートフォンが登場する前で、ビデオカメラがまだまだ高価な時代、カセットテープ式のハンディーレコーダー(ソニー風に言うと「カセットコーダー」)はリアルタイムに音声を記録する手段として最も重宝しました。
旅行中も手軽に持ち出せてワンタッチで長時間の録音ができる、カセットテープや電池は出先のスーパーマーケットで入手できる、機種によってはステレオで録音可能…時間はあるけどカネはない学生時代の私にはありがたい道具でした。
小さいときからラジカセに録音するのが好きで、気に入ったテレビCMがあれば重くて大きいラジカセをテレビのスピーカーまで持っていっては録音していました。よく親から「こんなの録ってどうするの!」と言われて、しっかりその声も録音されているわけですが(笑)、「もっと録っておけばよかった」と思うことが多々あります。
今回の音声は、1991年8月の夏休みに青森へ出かけた際に記録したカセットテープから持ってまいりました。
DAWを使ってPCに取り込み、音声レベルを調整した上でアップしております。過去にアップした【資料】1991年8月青森駅到着アナウンスもこのテープに収録していたものです。
聞き直して思うのは、1991年頃にはまだまだアナログ的なものがたくさん残っていたんだなという印象です。
「あおもりぃ〜」という肉声による列車到着放送は現在の自動音声放送にはない「遠くまできたんだな」という旅情をかき立ててくれます。訛りの入った車内放送も暖かみを感じます。車掌さんが乗務員の氏名をアナウンスしますが、青森発車時の担当車掌さんが「盛(もり)」さん、「今(こん)」さんという地域色のとても強い苗字であることも興味深いです。
〜関連情報〜
当時、個室内のオーディオサービスで流れていた音楽の作品名が20数年を経てようやく判明しました。
Mac Prindy 氏の「Happy Workers 1」と呼ばれるもので、1980年にリリースされた”Light Industrial Sounds and Movements”(レーベル:SONOTON)に収録されています。
放送業界などで使用するライブラリ音源なので市販されていません。
余談ながら、Mac Prindyという名前はいわゆるペンネームで、本名はGerhard Narholz。
ひとりの音楽家が複数の名前を持っており、日本では「Norman Candler(ノーマン・キャンドラー)」の名前で知られています。