2011年01月23日

そこはかとなく懐かしい「あなたにアクセス」

 以前、岩手県庁の広聴広報課がtwitter上で「岩手の好きなものは何か?」というアンケートを訊いてきたときに、「それは音楽です。思えば私の琴線に触れるメロディーや歌詞を作られている方はみなさん岩手出身、在住の方でした」と私は答えました。

 約20年前に初めて遠野を訪れたとき、とある宿で聴いた「遠野物語」という曲がとても印象深く、「歌っているのは誰?」、「CDはどこ?」と探し回った覚えがあります。インターネットのない時代、あんべ光俊さんの曲だと知るまでに1年かかりました。

 以降、地元のミュージシャンが作る音楽に出会うことが旅の楽しみのひとつになりました。地酒や地ビールならぬ「地音楽」…民謡とはまた異なる"現代の風景"をこれらに見出すことができるのではないでしょうか。


 さて、本題。
数年前の秋、盛岡へ出かけたときにホテルのテレビから流れてきた曲にピンときたものがありました。それはIBC岩手放送のテレビ番組、「じゃじゃじゃTV」のオープニングテーマです。土曜の朝、宿の窓から青く高い空を眺めながら「きょうはどこを回ろうか」とプランを練っていたときに耳に入った軽快なメロディーと歌声。楽しい一日が始まる気分がしてきました。

 このときもやはり気になったのが「作曲は誰?」、「歌っているのは誰?」でした。
当現代風景研究会の調査網を通じて分かったのは「作曲は『せんせいしょん』の佐藤将展さん、歌は佐々木由香利さん」ということでした。

 その佐々木さんが最近シングル盤を出したとのことでさっそく入手。
曲名は「あなたにアクセス」(商品番号PICM-201002、作曲:松永顕司、作詞:仲邑かおる、編曲:佐藤将展)です。握るマイクはダイナミックマイクの銘品、SHUREのSM58ですね。

あなたにアクセスCDジャケット

 NTT DoCoMo「iコンシェル」でIBC岩手放送が地域情報を提供するコンテンツサービス「IBC iコンシェル」のイメージソングとして作られたものです。このページを見ると、実際にこの作品が放送でどのように使われているかがわかりますが、作られた背景を知らなくてもじゅうぶんに楽しめる作品です。
再生した瞬間、「おおっ、じゃじゃじゃTVのあの声が!」とちょっと感動。

 80年代に一世を風靡したフュージョングループ「shakatak(シャカタク)」の作品を彷彿とさせ、スタイリッシュなのだけれども、そこはかとなく懐かしさを感じるところがフュージョン好きな私にとってのツボだったりします。

 アレンジバージョン2曲も収録されており、特にピアノVer.のアレンジが気に入っています。

→関連サイト:
 ├佐々木由香利さんオフィシャルサイト
 ├MySpaceで視聴
 ├佐々木由香利さんのBlog(Saraswati YUKARI's blog)
 └弊サイトが紹介されました

余談1. 「作曲:松永顕司、作詞:仲邑かおる、編曲:佐藤将展」トリオによる作品には、本稿で紹介した「あなたにアクセス」のほか、2010年に発表された「遠野ストーリア」もあります。こちらは少し歌謡曲風味。

余談2. 佐々木さんは盛岡のゴスペルグループ「シモンズカンパニー」のメンバーとしても活動しています。以前紹介した「underpath!(アンダーパス)」のおふたりもこのグループ所属です。
ここで注目したいのは「シモンズカンパニー」のリーダーでボーカリストの高橋ちあきさん。歌唱指導のほか、子どもたちに英語を教えており、子どもたちによる英語劇団「CEMT(Children's English Musical Theatre)」も結成されているとのこと。
昨年、盛岡市内のとあるジャズバーで高橋さんのライブを聴く機会がありましたが、あまりの迫力に鳥肌が立ったのを思い出しました。
実力本位のミュージシャンの源流ここにあり、と感じた瞬間でもありました。

余談3. YouTubeで公開されている「佐藤将展 オフシャル アーカイブ」から「File No. CMsong-01」の1分37秒目から「アルスCMソング」が始まります。こちらも佐々木さんのボーカルによるもので、編曲者が同一であることから「あなたにアクセス」に通じるアレンジが聴けるかと思います。ちなみに「アルス」は秋田駅ビルの名称。

→関連ページ:
 →岩手県盛岡市・喫茶店「ふかくさ」の風景と「たらりら」
posted by STIJ Project at 11:24 | TrackBack(0) | 旅で出会った音楽たち | 更新情報をチェックする

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