その10年後、震災がやってきました。10年前に見た陸前高田の風景は巨大な津波に消えました。
駅前のスポーツ用品店で自転車を借りて高田松原へ行ったこと、秋晴れの砂浜を歩いたときの胸のすくような気分、買ったきっぷを拾って駅員さんに届けてくれた中学生…いまでも記憶が鮮明によみがえってくるとともに、失ったものの計り知れなさを感じています。
この場を借りて、当時のリバーサルフィルムの写真画像を記録として公開したいと思います。
キャプションは順次つけてまいります。
前日は一ノ関駅近くのビジネスホテルに宿泊。この段階で次の日の予定は全く立てていませんでした。そこで思いついたのは「あしたの天気が晴れだったら海沿いに、雨だったら山沿いに出かけよう」というプランでした。
そして当日、天気は晴れ。一ノ関駅の改札へ向かうと大船渡線のディーゼルカーがホームに待機していました。
撮影場所不明。10月下旬とあって稲の刈り取りも終わり、乾燥した稲穂を取り込んでいる風景が車窓から見えました。この日、10月にしてはずいぶんと暖かい気温で、列車の心地良い揺れと暖かさに身をまかせてうとうとしていました。
海の近い駅で降りようと思い途中下車に選んだのは陸前高田でした。
駅に降り立ちまず撮ったのはこのバス停ポール。住田町、赤羽根峠を経由して遠野駅へ至るJRバス(遠野本線)が当時は運行されていましたが2004年3月末に廃止されました。バスの車号は「337-7419」、遠野市松崎町白岩にあるパチンコ店「レインボー」の広告が車体側面いっぱいに描かれていました。このバス車両も遠野本線廃止に伴い廃車されました。
大船渡線の踏切(踏切番号77)。脇ノ沢駅から陸前高田駅方向へ撮影したものです。画像左手方向へ進むとキャピタルホテル1000を経て高田松原へ、右手方向へ進むと市街地へ向かいます。画像奥の白い建物は県立高田病院です。