2015年01月14日

15.01.14 神宮前で佐々木一澄さん個展「集めたり描いたり」をみる

佐々木一澄さん個展会場
2014年6月に開催された「とげぬき地蔵尊こけし実演販売」、さらに7月に開催されたイラストレーター・佐々木一澄さんのトークイベントに参加して以来、今まで以上に東北地方の伝統こけしや各地の郷土玩具への興味が高まってきました。
→2014.7とげぬき地蔵尊こけし実演販売の記事はこちら
→トークイベントに参加したときの記事はこちら

「鳴子温泉「玉子屋本店(おかしときっさ たまごや)」のはなし。」で触れたように、お店の中に散らばっているジグソーパズルのピースと私の身のまわりで見つけたピースをはめ込んでいるうちに、どうやら自ら見たいと考えている絵柄の方向が次第に明らかになっていくように感じています。

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そんな折、1月9日から神宮前四丁目の「OPAギャラリー」で佐々木一澄さんの個展と郷土玩具の展示・販売が行なわれるとの話題を聞き、久々に表参道へ足を運んでみました。

AppleStore表参道
南青山の職場に通勤していた頃から10年近い月日を経て降り立った表参道駅。あの頃、地下鉄駅を降りて地上に上がると自ずと方角が分かったものですが、今となってはすっかり方向感覚を失ってしまいました。
「AppleStore 表参道」を基準点に設定し直し、神宮前のギャラリーに向かって歩き出します。

OPAギャラリー
大通りの喧騒と対照的に閑静な(…一時期に比べてマンションに空室が多く見受けられるようになりました…)神宮前の住宅街を歩きながら約5分、会場の「OPAギャラリー」が見えてきました。

OPAギャラリー
このスペースは作品展示を行なうギャラリーコーナーと、アーティストの作品を販売するショップコーナーが併設されています。

OPAショップ
ショップでは全国各地の郷土玩具を展示・販売しています。
・桜井昭寛工人(鳴子)の「永吉型・岩蔵型」こけし
・西山敏彦工人(土湯)の「勝次型・辯之助型」こけし
・浅草・白井家の「今戸焼・丸〆招き猫」
・静岡・浜松張子「首振り虎」
・大分・玖珠の「きじ車」
・熊本・永田禮三さんの「木葉猿」
など、長い伝統を現在に受け継ぐ作品が一堂に会する機会はとても貴重です。人気が高かったり製作数が少なく入手しづらい作品も中にはあります。

日本の郷土玩具
ギャラリー内で佐々木さんの作品とともに展示されている所蔵郷土玩具の一部。
郷土玩具と言うと、「おじいちゃん家のタンスの上に飾ってある地味な置物」というイメージを持つ方もいるそうですが、よく見れば色彩、表情、形状…それぞれに強い個性を持っていることに気づきます。

三春張子
鮮やかな色彩と躍動感のあるフォルムの三春張子「鞨鼓(かっこ)」。鞨鼓とは雅楽で用いる太鼓のこと。

鴻巣練人形
漫画的な表情で(むしろ現代の漫画的表現の源流となっているのがこれらの作品であったりする)、じっと眺めていると思わず見ている側がニヤッとしてしまう鴻巣練物の「福助」。
桐箪笥製造時に出た木の粉に麸糊を合わせたものを原材料としています。
埼玉は隠れた郷土玩具の産地で、ひな人形で名高い鴻巣、岩槻のほか、春日部、越谷、浦和、飯能も産地である(あった)ことを勉強するにつれ知りました。

ずぼんぼ土鈴
一度聞いたら忘れられないネーミングな「ずぼんぼ」。
浅草観音発祥の玩具で、紙製の獅子や虎を団扇であおいで浮かせるなどして遊んだそうです。
そんなずぼんぼを土鈴にしたのが上の画像。残念ながら現在は作られていません。
ちなみにずぼんぼの語源は獅子舞の囃子ことばからきているとか。

大山こまの木地玩具
神奈川県伊勢原の「大山こま・はりまや」の木地玩具職人さんが作った「車もの」。
伝統こけしと同じくロクロを使って木材を加工しています。
展示品の中で群を抜くユルさ具合で、ギャラリー来訪者の間でも話題になっていました。
どこかで見かけたようなデシャヴ感、蛍光ピンクな彩色、ラフな釘打ちなどツッコミどころ見どころの多い作品です。

船渡張子イラスト・松茸抱きおかめ
佐々木さんの郷土玩具イラスト作品を購入してまいりました。
ギャラリーには郷土玩具の製作者を描いた作品もあり、使用している道具や製作時の表情に興味を覚えました。

こちらは埼玉の越谷で作られていた船渡張子「松茸抱きおかめ」を描いたシルクスクリーン作品です。
見た瞬間、直感的に「これだ」と思いました。
「松茸抱きおかめ」のネーミング、表情、描写など、個人的なツボにはまりました。
子孫繁栄の縁起物であることは見ての通り。

船渡張子は亀戸天神前で天神まんじゅうを製造販売する菓子店「天満屋」で売られていたもので、「亀戸張子」とも呼ばれています。
現在、船渡張子の作り手は存命しているものの制作はしていないとのこと。船渡張子に限らず、調べていくと自分の身近なところで郷土玩具が作られていることが分かってきますが、それに気づいたときにはすでに実物を作れる人がいなくなっているのが現状です。「もっと以前に気づいていれば…」と思うわけですが、興味を持たなければ郷土玩具の存在にすら気づくことができなかったはず。多くの人たちがそれぞれの感性で郷土玩具に接することのできる機会が増えてほしいなと考えます。


〜余談〜
青山北町アパート2
ギャラリーに隣接している「都営青山北町アパート」の風景。
東京の青山にいることを一瞬忘れてしまう空間…。

青山北町アパート1
建物の老朽化で改築が予定されているとのことで、この風景をカメラの中に残しておきたいと思いました。
posted by STIJ Project at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | こけしと郷土玩具の話題 | 更新情報をチェックする